タラバガニの漁獲量や輸入規制

タラバガニの漁獲量や輸入規制

タラバガニは、北海道の北東に位置するオホーツク海が主な漁場です。漁獲が特に盛んだったのは、大正時代にあたる1920年代頃から1940年代頃。なんと、船で1度漁に出ると3〜6ヶ月も港に戻らず漁を行っていました。

 

「そんなに長い間、捕まえたカニはどうしているの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょうが、船といっても、船に工場があるような大型のもので、捕まえたタラバガニはその工場でどんどん加工されて缶詰にするのです。そうすれば、鮮度が落ちる心配がなく、漁とともに商品がたくさんできあがるという訳です。

 

この頃、1920年〜1940年にかけては漁獲量も増加の推移が見られていました。みなさんは、発表から長い時を経て2008年に脚光を浴びた小説「蟹工船」をご存知ですか?実は、これは上記のようなタラバガニ漁を行っていた船が舞台となっている作品なのですよ。

 

蟹工船の操業は1940年代以降も続き、タラバガニの全体の漁獲は1950年代でも緩やかに増加の推移を見せています。しかし、1970年代頃になると漁獲量の推移は右肩下がりになっていきます。特に1980年代にもなると激減。これは、1977年に200海里漁業協定が制定された背景がある為だと読み取ることができます。

 

現在、国内でタラバガニの漁獲量があるのは北海道のみです。以前は、北陸・東北・東京でも漁獲されている時期があったのですが、国内の都道府県でも1977年からはほぼ北海道のみでとられています。ちなみに、1970年代頃までは東京が日本一の漁獲高を誇っていたのですよ。しかし、現在は国内消費の多くを輸入に頼っている状態です。

タラバガニの漁獲量の推移

日本ではさまざまな食品を海外から輸入しています。タラバガニもそのひとつ。国内でも漁獲されているのですが、ロシアやアメリカなどからも多く輸入しています。しかし、以前にロシアからの輸入規制が、タラバガニを食べることができなくなるという不安をもたらしたことがあります。

 

日本は国内で消費するタラバガニのうち、国産は約半分、その倍以上を輸入に頼っているという状態です。その主な輸入元がロシア。輸入といっても、茹ででも生でも入ってきていました。生きた状態でと聞くと、それって新鮮なの?と不安に思うかもしれませんね。その仕組みはとても単純です。漁をした船が、母国の港に寄らず、そのまま北海道など日本の港に入り、おろせば良いわけです。

 

しかし、国としては自国の水産物を管理するために、どれくらいの量がとられているのかを把握しなければいけません。きちんと漁獲を管理する事は生体の保護にも繋がります。ところが、上記のように直接日本の港に下ろしていると、いったいどれくらいのタラバガニが漁獲されているのが分からなくなってしまいます。

 

そこで、ロシアによる輸入規制につながったという訳なのです。これまでと比べて日本に入るまでに時間がかかるようになりますから、国内で生のカニが食べられなくなると話題になりました。しかし、露大統領は「輸出を制限したいわけではなく、きちんと管理をすることが主題である」旨を述べています。

 

実は、輸入規制の背景には乱獲の問題があります。日本でも種の保護の為、メスの漁は制限されています。ロシアでは現在もタラバガニの生体保護の動きが進んでおり、輸入量は減少の推移を辿っています。

タラバガニはペットで飼えるか?

お歳暮にもらって嬉しいものに高級食材の蟹があります。特にタラバガニは高級蟹の代名詞で、身が甘くておいしいです。しかし、世の中には食べておいしい食用のタラバガニをペットとして飼いたいと思う方もいらっしゃるようです。

 

元々食べるつもりでタラバガニを購入してきたところ、まだ生きていたので主人と二人で今から活き茹でにすることはとてもできないと悩み、元気な様子なのでペットとして家で飼いたいけれど、食べ物やどんなものを準備すればよいでしょうか?とネット上で相談されていました。

 

死んでしまった蟹は旨み成分が劣るので、食材用に販売されている蟹類は活きた状態で販売されていても不思議はないのですが、よく知らなかったようです。大変心優しい方のようで、生きている状態を見てしまった以上、食べる気になれなかったそうです。

 

ただ、タラバガニは水深300mくらいの深さが生息域で、体長は1mほどもあります。家でペットとして飼育するには、体長の倍ぐらいの底面積がある水槽、水を常に冷やすためのクーラー、殺菌灯、オゾナイザー等、飼育環境を作ってあげるだけでも20〜30万円かかるだろうと回答者から意見がありました。

 

エサは肉食性で貝類、多毛類など色々な小動物を捕食するのでエサの調達も大変です。結局、そのタラバガニは死んでしまい、飼うことは叶いませんでした。死んでしまったけれど、一度は家族として迎えようと思ったので、食べることはせず、海に流して供養することにしたそうです。ちなみに、蟹を飼いたいのならサワガニがお勧めです。手軽に変えるし観賞用としても中々粋な物ですよ。管理を怠ると臭うのが難点ではありますが…。

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