ズワイガニの雌「せこ蟹」の魅力

「せこ蟹」とはズワイガニの種類である松葉かにのメスのことで、「せいこ蟹」とも呼ばれます。他に山陰地方では「せこかに」、丹後地方では「こっぺ」の愛称で呼ばれ、地方によって親がに、母かに、重箱など色々違います。漁獲シーズンは資源保護のため、毎年11月6日から翌1月10日の2ヶ月間に限られます。

 

漁自体も北陸から山陰にかけての日本海側だけに限られ、特定の地方だけで獲れる希少な種類という特徴があります。メスということもあり、一般的に流通しているオスの松葉かにに比べ、大きさにかなり違いがあります。オスの大きいものは1000g以上になりますが、せこ蟹は最大でも300g程度、通常は150〜200g程度です。

 

せこ蟹の特徴であり、最大の魅力は食感がプチプチしている外子と鮮やかな朱色の内子、カニ味噌のコクが違うことです。身もしっかりしていますし、価格が手ごろなのも特徴です。甲羅の中に白い袋状のものがあり、いわゆる精巣ですが、この精巣と中にある未成熟卵の内子が受精すると、産卵して外子になるので、内子は外子の元になると言えます。

 

一度交尾したメスは甲羅の中に精巣を5年程度持ち続けることができます。毎年、交尾しなくても産卵を数年繰り返し、内子と外子を常に抱えた状態でいるという神秘的な生態も特徴のひとつです。せこ蟹の由来は蟹が卵を背中に背負っているというところから来ており、「背負う+内子+蟹」の言葉が詰まって背子蟹になったということです。

ズワイガニの産卵

ズワイガニの産卵は脱皮を繰り返して成長したメスが、最初、夏から秋にかけて行います。ズワイガニは卵巣が発達し、産卵できる状態になるまで9回の脱皮を行い、甲羅の幅が約7cmの第10齢期になると卵巣が発達を始めます。脱皮の翌年の春頃には甲羅の外からでも分かる位、卵巣のオレンジ色を確認することができます

 

メスは卵を産む直前に最終脱皮を行い、第11齢期になって親蟹になります。第10齢期と違い、腹部が大きく丸みを帯びているのは、卵を抱えるために都合がよいからです。蟹や海老などの甲殻類の多くは、卵が孵化するまで自分のお腹に抱える性質があるのが特徴です。

 

産卵時期は年に2回で、8月から11月の夏から秋にかけての時期と、2月から3月の冬の時期です。夏から秋にかけて初めて卵を産むことを初産卵と呼び、卵が孵化するまで1年6ヶ月前後かかります。その間、メスは卵をお腹に抱え、翌々年の2月から3月に幼生が孵化します。

 

その直後にオスと交尾する機会があれば、交尾を行い、2回目に卵を産むので経産卵と呼びます。2回目の時は卵が孵化するまで1年間で、最初に比べると期間が短縮されています。その後、メスは毎年2月から3月に卵を産み、生涯に5回から6回繰り返します。

 

一般的に魚類が孵化するまでの時間は、水温など環境の変化が大きく影響すると言われますが、ズワイガニのメスが1回目と2回目で卵を産む生息場所が若干異なるということ以外、大きな環境要因は分かっていません。

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